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注意:好きな時に好きな本を読むのがモットー。書評ではなく覚書です。ほんの一部ですがネタバレがあると思われますので読む人は注意してください。敬称略です。

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2009/12/5 エルフェンリート 3、4巻 岡本倫 YJC Amazon.co.jp
1週間に1冊のペースで読んでいる。
2009/11/16 大暗室 江戸川乱歩 春陽堂 Amazon.co.jp
小学生以来の再読である。善なる青年と悪の化身のような青年(実は兄弟)との戦い。勿論最後が善が勝つ方向に進むのではあるが…果たして…。このラストの分けのわからなさは大人が読んでも怖すぎる。そういえば、昔は春陽堂という言葉を聞いただけで怖かったなあ。
2009/11/14 ディスコ探偵水曜日 上下 舞城王太郎 新潮社 Amazon.co.jp
謎解きに失敗した探偵が次々に死んでいくという設定だけを見て探偵小説に言及したメタミステリなのかと思いきや、タイムスリップ、折り返しの宇宙論、“気持ち”の実体化等々、なんでもありの展開に。結局この本はSFでも探偵小説でもない。とっちらかっているようで最後にはいかにも舞城らしい“愛”に収束。それが良いのか悪いのか好きか嫌いかと問われるとかなり微妙なのだが、読んでいる間は奇妙に楽しめた。未来はオリジナルではなくあらかじめ起こったことの繰り返しという発想がいい。
2009/11/1 エルフェンリート 1、2巻 岡本倫 YJC Amazon.co.jp
アニメから入ってついに本に手を出した。これ、西洋圏で異様に人気が高いのは何故だろうか。いいから騙されたと思って読んでみろって。
2009/9/31 ノーストリリア コードウェイナー・スミス著 浅倉久志訳 ハヤカワ文庫 Amazon.co.jp
復刊。主人公は流されるように地球にやってきて色々な人々(けもの族の下級民や補完機構の真人)に会うことになるのだが、大系を知らないとその間の描写がまるで幻覚を見せられているかのよう。実はクロニクルの一部なので、これだけ読むと違和感があるということなのかもしれない。
2009/8/22 社会は存在しない――セカイ系文化論 限界小説研究会編 笠井潔 小森健太朗その他著 南雲堂 Amazon.co.jp
無理矢理セカイ系に結びつけている印象の文もあったが、セカイ系で一冊というのは実に面白い。
2009/8/1 鬼がつくった国・日本―歴史を動かしてきた「闇」の力とは 光文社文庫 Amazon.co.jp
もう25年近く前に出た本なのだが、今読んでもとてもわくわくする。まつろわぬ民としての鬼、放浪者としての鬼。そして「鬼」の元締めと鬼のネットワーク。闇の力というキーワードで読み解かれた歴史は小説より奇なり。
2009/7/12 空の境界 上下 奈須きのこ 講談社NOVELS Amazon.co.jp
来月には劇場版「殺人考察(後)」も公開になることだし、復習のために読んでみた。半分ぐらい忘れていたので結構楽しめた。
2009/7/4 「彼女たち」の連合赤軍―サブカルチャーと戦後民主主義 大塚英志 文藝春秋 Amazon.co.jp
90年代を振り返るシリーズ(ただしこれは未読)。長田洋子と連合赤軍の女達を消費社会と絡めて解析するところから始まって、オウム真理教、吉本隆明の転向、りぼんの付録、女性漫画化の出産本…等々、話は広がってく。最後の村上春樹の話(「ねじまき鳥」の<歴史>への態度)は今現在の村上春樹を読む上ですごく面白いんじゃないかと思った。「1Q84」を読んでみるかな。
2009/6/27 爆笑問題のニッポンの教養―ひきこもりでセカイが開く時 斎藤環 爆笑問題 講談社 Amazon.co.jp
なんだ、テレビと同じじゃないか。

2009/6/18 赤毛のレドメイン  イーデン・フィルポッツ 創元推理文庫 Amazon.co.jp
古典シリーズ。今の時代からするとトリックは分かりやすいもので、見えない人物の描き方が若干卑怯な気もするのだが、それでも犯人の性格描写は優れている。存在としての悪を表現するための犯罪という意味ではあのロシア人作家に通じるものが含まれている。読み返しは面白い。

2009/6/10 月光ゲーム Yの悲劇'88  有栖川有栖 創元推理文庫 Amazon.co.jp
キャンプ中の大学生の間で起こる事件というのに(わりとどうでもよいシチュエーションでもあるので)なかなか入り込めず。登場人数も多過ぎて注意力散漫な感じで読み進める。が途中から楽しくなってきた。マーダーゲームは面白そうなのでいつかやってみたい。若き日のアリスの話はまたそのうち読もう。それにしても、デビュー作にしてクイーンを意識した作とはすごい。果たして今の時代にそれができる人はいるのか?

2009/6/4 極厚蒼天航路 1 王欣太 李學仁 講談社 Amazon.co.jp
三国志はどれを選んでも時間が取られるのでとりあえず(というかうっかり)漫画から。しかしこれも先は長いな。極厚を選んだのは失敗だったか。レッドクリフを観た後なので曹操贔屓の話に入り込むのはちょっと大変だったりもするのだが、色々な人の色々な歴史の読み取り方を覗くのは楽しい。
2009/6/4 Yの悲劇 エラリー・クイーン著 鮎川信夫訳 創元推理文庫 Amazon.co.jp
最近は新しく読みたい物語がなくなるたびに古典を読み返すことにしている。これは名作。Xの方はまぁそのうちに。本棚に「レーン最後の事件」がなかったので、次は月光ゲームを読むことにしよう。
2009/5/24 叛旗兵―妖説直江兼続 上下 山田風太郎 徳間文庫 Amazon.co.jp
この時期にリリースとは流行ものに便乗ということだろうが、とにかく読めることが嬉しい。前田慶次郎が直江四天王として大活躍。慶次郎が実際に上杉と関係があったらしいということを初めて知る。実在の人物をうまく物語に入れ込むその手法は明治ものと同様。ちなみに“妖説”とサブタイトルにあるが、妖しい話ではない。忍法帖ではなく後期の作になるらしいので注意されたし。直江兼続のすごさを知るのに優れた一冊。
2009/5/23 重力ピエロ 伊坂幸太郎 新潮文庫 Amazon.co.jp
世の中には探偵小説(あるいは犯罪小説)でしか語れない真実もある。この物語はそうではない。いろいろ読めるがこれ以上は今は書かない。たぶん今後もきっと書かないとは思うのだが。
2009/4/24 ユービック フィリップ・K・ディック著 浅倉久志著 ハヤカワ文庫 Amazon.co.jp
序盤で超能力者集団とそれを無効化する不活性者との戦いになっていくのかと思わせておきながら、徐々に存在そのものや現実感といったものが足下から崩れていくような展開に。なるほど納得のPKDである。キーワードは半生者。希望の光が見えるというか、自分のセカイに向き合うというちゃんとしたラストが用意されている。最後の数ページはおまけの可能性(だと思っておこう)。
2009/4/10 ららら科學の子 矢作俊彦 文藝春秋 Amazon.co.jp
で?私は貴方を理解してあげられないだろう。年齢とか興味の範囲が違うからとかそういうことじゃない。
それにしても、タイトルかっこよすぎ。
2009/4/5 怪人二十面相・伝 PART2 北村想 小学館文庫 Amazon.co.jp
青銅の魔神など少年少女にはどきどきわくわくの物語も実際に起こったならばその馬鹿馬鹿しさに笑うしかない。劇場型犯罪を計画せざるを得なかった二十面相の涙ぐましい努力は爆笑もの。ところでこの本には太宰は出てくるが「乱歩」が出てこない。つまり、乱歩の描いた二十面相や明智小五郎(加えるならば怪盗紳士アルセーヌ・ルパンも)が存在する別世界の物語として描かれたたのだろう。前書のD坂の「白梅軒」のエピソードはよかった。
2009/4/5 怪人二十面相・伝 北村想 小学館文庫 Amazon.co.jp
少年少女ものとして描かれている怪人二十面相の生い立ち、そして本当の姿…というテーマに心引かれないはずはない。とは言いつつ、映画化されるまでこの本の存在に気が付かなかった。映画のK-20の方はまだ見ていないのだが、映画とはまったく別物のストーリーのように思える。とりあえずDVD待ち。
2009/4/5 グリーン家殺人事件 ヴァン・ダイン著 井上勇訳 創元推理文庫 Amazon.co.jp
クラシックを読み返す段になるとやはりここから入ってしまう。ヴァンスが如何して解決にたどり着けなかったか。それはこれが探偵小説だからと言うしかない。探偵が解いてしまったらそこで事件は終わってしまう。あるいは読者に余計なヒントを与えてしまったら詰まらないものになってしまう。フェアとアンフェア。探偵小説のジレンマがそこにある。ちなみに「どうやって解決にたどり着いたか」というヴァンスの思考のトレースが最後の註に含まれていたりするのがなんとも面白いところではある。
2009/3/20 大迷宮 横溝正史 角川文庫 Amazon.co.jp
怪獣男爵に髑髏男。三つ子の体に埋め込まれた鍵。三つの同じ形をした屋敷。鬼丸サーカス…等々、小学生の時に読んだあのワクワク感をもう一度。横溝正史読本のおかげで探す気になった。すっかり忘れていた…というか知らなかった。この本が私がはじめて金田一耕助に出会った本だということを!
2009/3/14 神君幻法帖 山田正紀 徳間書店 Amazon.co.jp
その筋の人間ならばタイトルと表紙(佐伯俊男)を見て推して知るべし。技あるいは体質の科学的な説明が元祖山田よりも増量されていて笑える。これは書いている本人が一番楽しかったのではないかな。ナンセンスの中に空虚さや悲哀があるところは元祖をしっかり引き継いでいる。次作は例のエロ満載作品のオマージュということで楽しみ。
2009/2/28 不連続殺人事件 坂口安吾 角川書店 Amazon.co.jp
この本もタイトルがよい。内容的には、「文士や画家や女優など一風変わった人たちが山奥の屋敷に集まった。はたしてそこで起きる惨劇とは…」という非常に分かりやすいミステリ。が文豪だけあって人物の描き方がキャラ設定も含めて面白い。ちょっと見狂った人間関係の中に心理的なトリックがうまく入れ込んであるのだが、心理を読まずともある状況で容疑者から特定人物に絞り込めるはず。というわけで、この本は犯人当てをするつもりで読み始めると面白いと思う。
2009/2/22 横溝正史読本 小林信彦編 角川書店 Amazon.co.jp
戦前戦後の探偵小説界を知る上で貴重な一冊。横溝全部読み返したくなってきた。年表を見ていて気が付いたのは、横溝作品はタイトルが非常に良いということ。『白蝋変化・呪ひの痣』に『双生児は囁く』に『夜歩き姉妹』に『病院坂の首縊りの家』だからね。読みたくなってしまうでしょう。
2009/1/24 GOTH―リストカット事件 乙一 角川書店 Amazon.co.jp
本郷奏多で映画化というポスターを見て、イメージがぴったり嵌り、なんとなく読まずにいたこの本を読んでみた。猟奇なのにさわやか。ミステリとしては主として叙述なのだが、あまりひっかかった気はしないし嫌な感じもしなかった。がんばって書いたのだろうと思う。短編連作というか短編集でここまで面白いのもひさしぶりだったかも。後日談の方もぜひ読んでみよう。